まずは面白い4コマ漫画でも
デイリースポーツ
「ローズS・G2」(21日、阪神10R)
G1馬2頭を蹴散らした。川田騎乗の伏兵マイネレーツェルが激しい叩き合いを鼻差制して、重賞2勝目をゲットした。春は桜花賞6着、オークスは不利があって9着に敗れたが、自慢の瞬発力に磨きをかけて堂々と秋華賞(10月19日・京都)へ向かう。2着はムードインディゴ。この日1勝した福永は、父・洋一さんの通算勝利数まであと「1」に迫った。3着レジネッタまでが本番の優先出走権を獲得。オークス馬トールポピーは6着に敗れた。
◇ ◇
ゴール前での激しい攻防が、マイネレーツェルの闘争心に火をつけた。厩舎でも人馬が近づくと威嚇するタイプ。内レジネッタ、外ムードインディゴとの激しい追い比べで挟まれる形になったが、412キロの小柄な牝馬は一歩も譲らない。道悪も克服、最後は鼻差だけ抜け出し勝利をもぎ取った。前哨戦とはいえ、桜と樫、2頭の女王を破る価値のある内容。川田は「思ったより前の位置になったけど、道中は馬の行く気に任せた。このメンバーでよく頑張ったし、引き続き楽しみ」と本番を見据えた。
川田には格別の思いがあった。デビューから4戦連続で騎乗したパートナー。昨年11月のファンタジーS8着以来のコンビ結成となった。今年の皐月賞(キャプテントゥーレ)でG1初Vを達成するなど実績を積んだことで、オーナー側から再び声がかかった。
「2歳のときに、うまく乗れなくて降ろされたからね。重賞をひとつ勝てて良かった」と、もう1度チャンスを与えてくれた陣営に感謝した。五十嵐師も大満足だ。「乗っていたし癖も知っている。ジョッキーも以前とは違うし、同じことはしないだろうから、きょうは任せた。期待以上だったね」と笑みがこぼれた。
キャリア12戦のうち、1番人気は2回だけ。重賞初Vのフィリーズレビューは11番人気、桜花賞、オークスはともに9番人気。この日も7番人気だった。五十嵐師は「いつも人気がないからね。今度もそっとしておいて」とジョークを交えながら、「内心は思っていたけど、これで(上位と)力の差がないことが分かった。以前は切れとスピードだけだったが、力もつけている。カイバも食べるようになって、春よりも大人になったね」と心身ともに成長した姿に胸を張った。
秋華賞では、もう伏兵とは呼ばせない。マイネレーツェルが最後の1冠取りへ大きく近づいた。
スポニチ
マイネレーツェル叩き合い制し重賞2勝目 ローズS
◆ ゴール前、3頭が大接戦 ◆
ゴール前の大接戦をモノにした。21日、阪神メーンの秋華賞TR・ローズSはオークス9着以来のマイネレーツェル(牝3=五十嵐)がハナ差で競り勝ち。2着ムードインディゴとの組み合わせで馬単4万6910円の高配当。桜花賞馬レジネッタは3着、オークス馬トールポピーは6着に敗れた。また、中山のセントライト記念も伏兵ダイワワイルドボア(牡3=上原)が力走。菊花賞切符をもぎ取った。
◆ オークス馬・トールポピーは6着に沈む ◆
オークス9着以来の伏兵マイネレーツェルが接戦をモノにし、桜花賞TR(GIIフィリーズレビュー)に続く重賞2勝目をマークした。2着はハナ差でやはり人気薄ムードインディゴ。1番人気を集めた桜花賞馬レジネッタはハナ、クビ差で3着に敗れた。オークス馬トールポピーは追い上げ遅く6着に沈んだ。
好発を決めたエアパスカルが果敢にハナ切り宣言。ダイワスピリット、ブライティアカペラ、ブラックエンブレム、オディールなどが好位グループを形成だ。レジネッタは中団の外。その内側にトールポピーが虎視たんたん。雨上がりの重馬場にしては流れはそこそこ速い。そんな中でマイネレーツェルは後方から3頭目。この右やや前にムードインディゴが手応えよく進んでいる。3角を過ぎて後続が追い上げを開始だ。
直線向いてエアパスカルの逃げ脚に陰りが生じる。坂下ではついに後続各馬に捕まってギブアップ。内でオディールが踏ん張っているが、外からの強烈チャージ3頭、レジネッタにマイネレーツェル、それにムードインディゴの勢いが素晴らしい。トールポピーはここで完全に凡退が決定。いったんレジネッタが抜け出す構えを見せたが、あと100メートル地点でマイネレーツェルがほんの少し出た。外のムードインディゴの追撃をハナ差封じてV奪取。レジネッタは3着。4着にはオディールが入った。
サンスポ
【ローズS】激戦制した!レーツェル重賞V
第26回ローズステークス(21日、阪神10R、GII、3歳牝馬オープン、馬齢、芝・外1800メートル、1着本賞金5200万円、1~3着馬に秋華賞(10月19日、京都、GI、芝2000メートル)の優先出走権=出走18頭)川田将雅騎乗、7番人気のマイネレーツェルが、直線の叩き合いを制して、重賞2勝目をマーク。秋華賞に弾みをつけた。ハナ差の2着にムードインディゴが入り、1番人気のレジネッタは直線で早めに抜け出したが、上位2頭に差されて3着。2番人気のオークス馬トールポピーは伸びを欠いて6着に敗れた。
小さな体に詰め込まれた闘志を最後の直線にぶつけた。息詰まる叩き合いを制したのは7番人気のマイネレーツェル。持ち前の勝負根性を発揮し、フィリーズレビュー(GII)以来、2つ目の重賞タイトルを手に入れた。
「道中は馬の行く気に任せて、終いにかけようと思っていた。思ったより前のポジションになったけど、結果的には良かったし、次が楽しみになる勝ち方でしたね」
心地よい汗をぬぐいながら川田将雅騎手が勝利の余韻に浸った。大外枠から好発進を決め、道中は桜花賞馬レジネッタをマークする絶好位を確保。比較的速いペースをスムーズに追走して、勝負どころを迎えた。そして直線では鞍上の気合付けに応え、一歩ずつレジネッタを追いつめる。最後は外を強襲したムードインディゴを含めた3頭の叩き合いをモノにして本番に王手をかけた。
「結果を出せなくて降ろされましたから。これでひとつ恩返しができましたね」。川田にとってはリベンジの意味合いも大きかった。デビューから手綱を任されながら不本意な結果が続き、4戦目を最後にコンビは解消。だが、その間に川田はGI・皐月賞を制するなど着実に実績を残した。その成長ぶりに陣営は再びチャンスを与え、ジョッキーもその期待に見事応えた。
「春は切れ味とスピードだけだったのが、パワーがついてきた。精神的に強くなったことで、カイバを食べるようになり、追い切った後でも馬体が減らなくなったね」。管理する五十嵐調教師も心身ともにたくましくなったレーツェルに目を細める。
前哨戦とはいえ、GI馬2頭を封じたことは確か。「これで胸を張って力差がないと言える。次は勝ちに行くよ」と五十嵐調教師が力を込める大一番は1カ月後の秋華賞(10月19日、京都、GI、芝2000メートル)。もう伏兵とは言わせない。進化したマイネレーツェルが“主役”としてGIの舞台に立つ。(瀬戸聡)
スポーツ報知
▽9月21日阪神10R第26回関西テレビ放送賞ローズステークス・G2 1800メートル(3歳、オープン、馬齢、曇・重、18頭)
秋華賞トライアルの第26回ローズS・G2(芝1800メートル、重)が21日、阪神競馬場で行われた。3歳馬18頭が出走。7番人気のマイネレーツェル(川田)が9番人気ムードインディゴとの叩き合いを制し、報知杯FRに続く重賞2勝目を飾った。勝ち時計は1分47秒3。3着の1番人気馬レジネッタまでが本番(10月19日、京都)への優先出走権が与えられた。
おまけ
▽3月16日阪神11R第42回報知杯フィリーズレビュー・G2 芝1400メートル(3歳牝、オープン、馬齢、晴・良、16頭)
桜花賞トライアルの第42回報知杯フィリーズレビュー・G2(芝1400メートル、良)が16日、阪神競馬場で行われた。3歳牝馬16頭が出走。11番人気のマイネレーツェル(池添)が外から豪快に差し切って、重賞初制覇を飾った。2着は鼻差で7番人気のベストオブミー。1番人気に推されたエイムアットビップは精彩を欠き、掲示板を外した。3着のレジネッタまでが本番(4月13日、阪神)の優先出走権を獲得した。
◇マイネレーツェル 父ステイゴールド、母ケイアイベール(父サクラユタカオー)。牝3歳の鹿毛。戦績9戦3勝。総収得賞金9605万3000円。重賞初制覇。生産者・青森県南部町の佐々木牧場。馬主・(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン。栗東・五十嵐忠男厩舎所属。
◆レース後の関係者コメント
池添騎手(マイネレーツェル=1着)「全部かわしたと思ったけれど、内ラチに1頭いたのでヒヤッとしました。しまいの脚を生かそうと思って、馬に任せてリズム良く追走した。外に出したらしっかり反応して、いい脚を使ってくれました」
安藤勝騎手(ベストオブミー=2着)「芝よりダートの方がいいのは確かだが、それでもこなすんだから大したもの。しまいの競馬に徹するような乗り方がいいかもしれないね」
小牧騎手(レジネッタ=3着)「惜しかった。抜け出しかけたところで止まってしまった。権利を取れたことは素直に良かった」
川田騎手(ラベ=4着)「スムーズに外に出せたし、直線ではしっかり伸びてくれているんですけど…。せめて権利は取りたかった」
岩田騎手(ビーチアイドル=5着)「今日の流れでは、結果的に後ろからの方が良かったかも知れないが、攻めるつもりだったから…」
藤岡佑騎手(エイシンパンサー=6着)「他の馬と並走してから、かかりました。内枠で壁でも作れていれば」
渡辺騎手(マチカネハヤテ=7着)「もまれる競馬でもしっかり走った」
長谷川騎手(ディープキッス=8着)「勝ち馬と同じ位置で、弾けそうな手応えでしたが…」
音無調教師(ミゼリコルデ=9着)「何の不利もなく進めたんだが…」
福永騎手(エイムアットビップ=10着)「負け過ぎやろ。発熱で見た目には変わらなくても、内臓的な面は分からないしね。これでガスが抜けたと思いたい」
芹沢騎手(マイネブリッツ=11着)「まだ良くなっている途中のような気がする」
藤田騎手(ペプチドルビー=12着)「久々で息が持たなかった。でも、スピードはあるし、すごくいい馬」
北村友騎手(パッションローズ=13着)「もっと距離が短い方がいいのかもしれません」
四位騎手(エーソングフォー=14着)「追走に手いっぱい。雨の影響が完全に抜けない馬場が影響したのかもしれない」
橋本騎手(ワンモアグリッター=16着)「久々だったけど、いいスピードは見せてくれた」